今の天志道場になるまで
どのような思いで道場そして天志空手ができたのか
天志道場代表 竹中洋一代表師範
の歩みをたどります
Contents
強さへの憧れ
幼少期は病弱で、気も弱く、苛められることも多かったことから
強さへの憧れは人一倍持っていました。
ブルース・リーの映画やプロレス、漫画「空手バカ一代」などを見て
強さへの欲求が高まり
格闘技をやろうと決意をしたのでした
高校2年生、友達が通っていた道場への入門が空手との出会い
若くて体力もあった当時は、毎日のように道場に通い
日々遅くまで稽古に明け暮れていました
同世代の仲間も多く、切磋琢磨しながら試合にも積極的にチャレンジ
本気で”最強”を目指していた時代でした
ハードトレーニングの果てに・・・。
飽くなき向上心から高校卒業後の就職先も
「稽古が充分にできる環境」で選ぶほどの空手熱の入り様
練習はとにかく気合と根性でガムシャラに量をこなすものでした
そのため、上手く動けて勝てる時もあれば、直前に風邪を引いたり
オーバーワークで動けず負けるなど、戦績も不安定なものです
プレッシャーから、試合直前に吐き気を催したりすることも多くありました
最後の試合となったのは25才の時に初めて出場した全日本大会。
出場を決めてからは1日も休むことなく、ハードトレーニングを自分に課しました
試合当日は思うように身体は動かず、内容はボロボロ
2回戦で敗退し、空手に対する情熱や意欲もプツン、と切れてしまったのです
「燃え尽き症候群」になり私は、「空手はもういいや」
という気持ちなり、道場からも足が遠のきました
再び空手の道へ
一度辞めた空手を再び始めることになったのは
当時、整骨院を開いていた時に患者様として来られていた
主婦の方の一言がきっかけでした
治療中の会話の中で、私が空手をやっていた話になり
「先生、ちょうどうちの子、精神的に強くしたいと思って武道を習わせようと思ってたのよ
よかったら空手を教えてもらえないかしら」と頼まれました
そして、治療院の空きスペースで
子どもたち5人(内2人は我が子達です(笑))を相手に
「子ども空手教室」の名称で第2の空手人生がスタートしたのでした
指導の行き詰まり
当時の子どもたちへの指導ですが
元々体育会系の「怒鳴られ、叩かれ」の中で育ってきた私は
厳しい指導を生徒たちにも行っていました
稽古中、ふざけていたり、上手くできない子には
大声で怒鳴ったり、時には手を上げることも
しかし、怒った時にはキチンとしても、目を離すとまた同じことの繰り返し
どう接していけばいいのか、出口の見えないまま指導のやり方に迷い、
悩む日々を過ごしていたのでした
指導者が変われば、生徒も変わる
これまでは
「言うことを聞かない、上手くできない子」に対して
「その子を変えよう」としていました
だから思い通りにいかない時には
すぐ感情的になって怒鳴ったり手を上げたり
当然子どもたちも練習中はこちらの顔色を伺うような感じで
とても空手を楽しんでいるようには見えません
しかし、自分自身が子どもたちに対しての考え方や行動、言葉を変えました
その中で人間の心と身体のメカニズムに適った指導を行っていくうちに
子どもたちの態度や行動にも変化が現れたのです
それとともに、子どもたちの技術も加速的に高まり
全国大会で活躍する選手も現れるようになりました
子どもたちが大きく変わった
そのポイントは「指導者が変わること」だったのです
天志道場 一般部を開設するも・・・。
しばらくは治療院で稽古を行っていましたが
平成13年、稽古場所を岡町に移転したのを機に
道場名を「空手道 天志道場」としました
そして、平成16年4月に東豊中道場を開設し
その年の9月より東豊中道場にて一般部を始めました
その時の稽古は
基本稽古はやるものの、中心はミット練習やフィジカルトレーニング
組手をガンガン行っていくスタイルでした
しかし、入門者が来ても体力的についていけなかったり
ケガで退会する人も多く、生徒が定着しませんでした
また、私自身も年齢的なものから来る体力の衰えに
「このような稽古を一生続けていくことはできないな」 と感じ
もう一度稽古の内容を見直すことにしたのです
原点回帰
年を取っても稽古を続けられる
年を重ねるほどに強くなれる空手
生涯武道を目指すためには
空手の原点に戻ることが必要であると思い
それまでやってこなかった「型」を学ぶことにしました
ご縁のあった伝統空手の先生の元に伺ったり
空手の源流である沖縄に行き
様々な流派の型とその意味や運用法についてを学び
改めて空手の深遠さ、素晴らしさを知りました
それからの稽古は
「基本」をしっかりと身につけ、「型」を通じて技を磨き、
身体を錬り、老若男女誰もが“それぞれの強さ”を
目指すことのできるものへと変わったのです
目指せ!!人生の達人
天志道場では
「誰もが強くなることのできる空手」をモットーとし、
中学生から60代の老若男女様々な世代の方が
それぞれの目的を持って日々稽古に励んでいます
「強くなる」というのは
誰かよりも強くといった相対的なものではなく
「昨日の自分より今日の自分、今日の自分よりも明日の自分が強くなる」
ということです
比較しよう、争おうと思えばそこに対立が生まれる。
武道は、闘いを通じ道(生き方・考え方)を学ぶもの。
人に勝つという争いの意識を、高い次元の意識に昇華させる。
本質は争いのない「和」の精神にあります。
人との対立・比較の意識を超え
技と心を磨く事で『人を活かす空手』ができるのではないでしょうか
それは、空手の枠を超えた人生を心豊かに生きるため
の価値観でもあるでしょう
精神的にも肉体的にも弱かった私は
空手で心技体ともに成長することができました
「空手で自分は強くなれた!!」「空手をやっていて良かった!!」
と道場生が思える道場にすることが私の想いです
私はそうした空手の素晴らしさを、道場生に伝え、共に精進し
”人生の達人”を目指していきたいと思います